1976 年 33 巻 7 号 p. 399-404
ポリスチレン-ポリメチルメタクリレートの混合トルエン溶液に超音波照射を行い, ブロック共重合体生成反応に関する定量的知見を得ることを目的とした. ポリスチレン-ポリメチルメタクリレート混合溶液の切断挙動は, 各ポリマーの単独トルエン溶液の場合と同様であり, ポリマー種による切断挙動に大きな差異 (切断速度, 極限重合度) は認められなかった. 本研究のポリマー濃度範囲で生成したブロック共重合体は, 重量分率15.5%から23.5%であり, ポリマー濃度が大きくなるにつれて生成量が減少する傾向がみられた. ブロック共重合体の分子量は, 照射後生成したホモポリマーに比べて小さく, 分子量, 組成から推定したブロック共重合体のsequenceは, スチレン単位で1600から5500量体, メチルメタクリレート単位で1200から2800量体であった.