1976 年 33 巻 7 号 p. 417-420
キレート形成性配位子を使用することによって, ポリエチレンテレフタラートの生成反応における金属化合物の触媒活性の向上, 抑制を試みた. Al化合物はテレフタル酸ジメチルのエチレングリコールによるエステル交換反応の触媒として通常は低活性であるが, アセチルアセトナト, オキシナト錯体などとすると活性の向上することを見いだした. Ti化合物はビス-2-ヒドロキシエチルテレフタラートの重縮合反応の触媒として過激な挙動 (熱分解反応をも著しく促進する) を示すが, これにキナリザリンのような多環芳香族性配位子を加えるとかなりこの挙動がやわらぐことを見いだした. これらの結果は金属化合物のLewis酸強度とその触媒活性との関係と矛盾しない.