1977 年 34 巻 2 号 p. 85-90
ポリオキシエチレン型アニオン乳化剤であるドデシルポリオキシエチレン硫酸ナトリウム (EA) とCeIVとのレドックス系で開始されるスチレン (St) の乳化重合に関する研究で次の知見を得た. (1) EA/CeIVのモル比によりEA-CeIV錯体の構造が変化し, その比が小さい時形成される錯体は, 重合開始に有効でない. 効果的な速度で重合を進行しうるEA/CeIV比の下限はEAのオキシエチレン付加モル数に依存する. (2) 重合速度Rpと重合度Pnは, 次のような [EA], [Ce] の関数で示される.
EAのKkdはオキシエチレン付加モル数とともに増大するが, 親水性が等しい非イオン乳化剤のKkdより小さい. これはEAの末端基どうしの斥力のためと考えられる.