高分子論文集
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ビスイソプロピルキサントゲンの存在下におけるスチレンのラジカル重合
野間 夬之丹羽 政三吉田 孝男根角 忍
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1977 年 34 巻 2 号 p. 97-102

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抄録

ビネイソプロピルギサントゲシCH3CH (CH3) -OC (S) -SS-C (S) O-CH (CH3) CH3 (BX) の存在下でのスチレン (St) のラジカル重合をベンゼン中70℃で行った. ポリマー分子当たりの末端キサントゲン (X) 基数 (Na/2) は, 仕込みのモル比 [BX] 0/ [St] 0の高い場合を除けば, 重合率の増加とともに減少した. 数平均重合度および硫黄量の両方を重合率0に外挿して連鎖移動定数を決定し, 4.43を得た. 窒素気中で水酸化カリウムのエタノール溶液またはモルホリンによるポリマー末端のX基の加水分解は円滑に完全に進行した. しかしながら, 加水分解ポリマーは末端チオール基を理論量の約70%しか含有せず, 末端チオール基の消費量に相当する (高い) 分子量を示した. BX存在下におけるStとジビニルベンゼンの共重合は, 適当な条件のもとでは, ゲル化なしに高重合率まで進行した. コポリマーの (Na/2) 値はホモポリマーよりもかなり高く, 加水分解コポリマーは酸化によって不溶性のコポリマーに変わった.

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