高分子論文集
Online ISSN : 1881-5685
Print ISSN : 0386-2186
ISSN-L : 0386-2186
0.01μm以上の平均孔を有する高分子多孔膜の孔のキャラクタリゼーション法
上出 健二真鍋 征一松井 敏彦
著者情報
ジャーナル フリー

1977 年 34 巻 4 号 p. 299-307

詳細
抄録

円筒状および裁頭円錘状孔を持つ高分子多孔膜の孔径分布を, 水銀圧入法 (MI法), 濾過速度法 (combination method of bubble pressure and fluid permeability) (BP法) で評価する厳密な解析理論を提出した. この理論によると, 溶媒の濾過速度と空孔率Prとの値から従来法に従って計算される平均孔径riは (r4r3) 1/2に等しい (円筒状孔) かあるいはそれに近い (裁頭円錐状孔). ここでri (i=3,4) は次式で定義される. 
ここで孔半径がrr+drの範囲内にある単位面積当たりの孔数がN (r) drと表記されるとしてN (r) は定義される. MI法で決定される平均孔径rppr3に等しい (円筒状孔) かあるいはそれに近い (裁頭円錐状孔). 3種の実在膜, すなわち円筒状の孔を有するポリカーボネート製の多孔膜, 表面のr1と裏面のそれとが異なる酢酸セルロース多孔膜および不規則形状の孔を有する酢酸セルロースと硝酸セルロースとの混合物から構成される多孔膜, のPr, N (r), ri (i=1~6) を本解析理論に従ってMI法, BP法および走査型電子顕微鏡法 (SEM法) で評価した.

著者関連情報
© 社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top