高分子論文集
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エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂のアルカリケン化反応
岩崎 博四米津 潔
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1978 年 35 巻 1 号 p. 33-39

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抄録

ガスバリヤー性樹脂として有用な, 高ケン化度のエチレン-ビニルアルコール共重合樹脂 (EVA) を得る目的で, エチレン-酢酸ビニル共重合樹脂 (EVAc) のMeOH溶液中でのアルカリ触媒によるケン化反応の諸条件を検討した. ケン化反応ではEVAc中の酢酸基とMeOHのエステル交換反応が主として起こるが, 直接ケン化反応および副生MeOAcの加水分解により触媒であるNaOHが消費され, 高ケン化度のEVAを得ることが困難であった。そこで多段蒸留塔を高圧ケン化器として使用し, EVAc-MeOH溶液およびNaOH-MeOH溶液を塔上部に供給し, 沸点または過熱下のMeOH蒸気を塔底部より吹き込んで, 塔頂部より副生MeOAcをMeOHとともに共沸組成で系外に追い出しながらケン化することにより, ケン化度99mol%以上のEVAを連続的に製造することが可能となった。

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