高分子論文集
Online ISSN : 1881-5685
Print ISSN : 0386-2186
ISSN-L : 0386-2186
エポキシ樹脂のジカルボン酸による硬化の促進とその機構
新保 正樹越智 光一山田 光夫
著者情報
ジャーナル フリー

1980 年 37 巻 1 号 p. 57-63

詳細
抄録
ビスフェノール型エポキシ樹脂を促進剤の三級アミンまたはオクチル酸スズの存在する系と存在しない系とで脂肪族α, ω-ジカルボン酸を用いて硬化した. これらの系の硬化促進機構が引張Masaki SHIMBO強さや引張せん断強さ, 官能基の濃度およびゲル量の変化に基づいて検討された. その結果促進剤を添加した系では, 硬化物のエポキシ基反応率, 引張強さおよび引張せん断強さは促進剤を添加せぬ系とほぼ同じ値を示すが, 三級アミンまたはオクチル酸スズの添加によってその硬化時間は短縮された. また, これらの硬化物のけん化および反応率の変化から, 三級アミンによる促進系では硬化物のエステル結合の形成が選択的に促進されエーテル結合の抑制されることが示された.
著者関連情報
© 社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top