ポリ (1-ビニル-2-メチルイミダゾール) (PMI), ポリ (1-ビニルイミダゾール) (PVI), それらの1-ビニルビロリドンとの共重合体 (PMIP, PIP), および対応する一連の置換イミダゾールを軸配位子とするヘム錯体について, 可視スペクトル測定から配位特性を考察した. PVI, PIPは六配位低スピン型ヘム錯体を形成するのに対し, 2置換イミダゾール類, PMI, PMIPのヘム錯体は五配位高スピン構造をとる. 見掛けの錯生成定数Kを比べると, 高分子配位子系では低分子イミダゾール錯体に比べて102~104倍大きく, これは高分子中の局所的に高い配位子濃度と高分子ドメイン中へのヘムの疎水的取込み効果に原因する. 安定な六配位低スピン型イミダゾールーヘムに少量のPMIPを添加すると五配位高スビン型に選択的に移行した.