N-アクリロイルビロリジンの生長反応速度定数 (kp) および停止反応速度定数 (kt) を, 30℃において回転セクター法で決定した. kp=8270lmol-1s-1, kt=2.2×109lmol-1s-1. また, 交互生長の速度定数を求め, N, N-ジメチルアクリルアミドおよびN-アクリロイルビペリジンのものと比較した. モノマーとしての反応性にはほとんど差はないが, ポリマーラジカルとしての反応性には60倍にも及ぶ大きな差がある. そこで, 窒素上の非共有電子対の作用に注目し, N-CH3あるいはN-CH2プロトンの1HNMRにおけるcoalscence temperatureを測定したが, その差だけで反応性を十分説明することはできなかった. しかし, 窒素上の置換基の構造的なわずかな変化が共役状態に大きく影響することが明らかになった. したがって, ポリマーラジカルの反応性が大きく変化することも, 共役状態が置換基により変化したためと思われる.