高分子論文集
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ポリウレタンの化学構造と湿式凝固性
福島 修斎藤 吉民
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1982 年 39 巻 9 号 p. 535-542

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抄録

人工皮革に使われているポリウレタンを水及びアルコールで凝固する場合の凝固挙動を検討した. ポリウレタンの凝固性は化学構造で異なる. 水に対する凝固はソフトセグメント部分のポリマーグリコールの凝固性に対応し, ポリエチレンエーテルグリコールは水溶性で, そのポリウレタンの凝固価は大きい. またポリテトラメチレンエーテルグリコールの凝固価は小さく, そのポリウレタン (PTGとする) の凝固価も小さい. ポリエステル系ポリマーグリコールの凝固価は両ポリマーグリコールの間にあり, そのポリウレタンの凝固価も両ポリウレタンの間にあった. またPTGは凝固過程で粘度増大が見られた. アルコールに対する凝固は, ポリマーグリコールが可溶であることもあり, 水より大きい凝固価である. 一般に凝固価はメタノール>エタノール>プロパノール>ブタノール>t-ブチルアルコールの順で, 凝固価はハードセグメントの増加に伴って小さくなる.

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