人工皮革に使われているポリウレタンを水及びアルコールで凝固する場合の凝固挙動を検討した. ポリウレタンの凝固性は化学構造で異なる. 水に対する凝固はソフトセグメント部分のポリマーグリコールの凝固性に対応し, ポリエチレンエーテルグリコールは水溶性で, そのポリウレタンの凝固価は大きい. またポリテトラメチレンエーテルグリコールの凝固価は小さく, そのポリウレタン (PTGとする) の凝固価も小さい. ポリエステル系ポリマーグリコールの凝固価は両ポリマーグリコールの間にあり, そのポリウレタンの凝固価も両ポリウレタンの間にあった. またPTGは凝固過程で粘度増大が見られた. アルコールに対する凝固は, ポリマーグリコールが可溶であることもあり, 水より大きい凝固価である. 一般に凝固価はメタノール>エタノール>プロパノール>ブタノール>t-ブチルアルコールの順で, 凝固価はハードセグメントの増加に伴って小さくなる.