高分子論文集
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メタクリル酸のラジカル重合における共存キトサンの分子量の影響
片岡 清一安東 忠直
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1984 年 41 巻 9 号 p. 511-517

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抄録

キトサン酢酸塩 (CS・AcOH) 存在下でメタクリル酸ナトリウム (MAA・Na) を, 水溶液中30℃でラジカル重合を行い, 重合速度 (Rp) 及び生成ポリ (メタクリル酸) (PMAA) の分子量に対するキトサン (CS) の鎖長及びCS濃度 (2.62~0.65g/dl) の影響を調べた. CS・AcOH/MAA・Naのモル比は1とした. RpはCSの鎖長に依存性を示した. この重合中で, CSと生成PMAAから成るポリマーコンプレックスは沈殿した. 重合条件を変化させても, このポリマーコンプレックスの組成, (CS) c/ (PMAA) cはほぽ1であった. CSの (C*) 以下の場合, 生成PMAAの分子量は重合率の増加とともに直線的に増加した. CSの (C*) を越えると, この直線部分の傾斜は増大を示した. CSの (C*) 以下において, 重合率100%に外挿した推定PMAAの重合度はCSの鎖長とほぼ直線関係にあることがわかった.

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