主鎖型高分子液晶の相転移において, 柔軟なスペーサー・セグメントの果たしている役割を明確にするために, この部分についてコンホメーション解析を行つた. 実験的にサーモトロピック・ネマチック液晶を生じることが確認されている系について, それらの分子が自由な状態にある時の, 鎖中で隣接しているメソゲンの空間的配位の相関 (θ) を求め, 異方相中において取り得る分子形態を考察した. 前報で解析したポリエステルXOC (O) (CH2) nC (O) OXの他に, ポリエーテルXO (CH2) nOX, ポリカーボネートXOC (O) O (CH2) nOC (O) OX, オキシエチレン単位の繰り返しを有するポリエーテルX (OCH2CH2) χOXについて計算を行い, メソゲン (X) とスペーサー・グループを連結している官能基の幾何学的形態によって, 転移温度TNI, エンタルビー変化ΔHNI, エントロピー変化ΔSNIにみられる偶奇性の度合が影響を受ける理由を明らかにした.