高分子論文集
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アゾ基で連結されたポリマーのモデル化合物としてのアゾビスシアノペンタン酸メチルエステルの分解
上田 明永井 進
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1986 年 43 巻 6 号 p. 331-336

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抄録

主鎖の一部にアゾビスシアノペンタン酸アミド単位を含むコポリアミド6.6あるいは6.10を開始剤に用いてスチレンを重合し, ポリアミド-ポリスチレンブロック共重合体を生成する際のポリアミドセグメント鎖長を推定する手掛りとして, アゾビスシアノペンタン酸メチルエステル (ACPA-Me) の分解挙動を調べた, すなわち, ベンゼン及びm-クレゾールを溶媒とし, スチレンの不在下及び共存下でACPA-Meの分解を60℃で24h行い, 分解生成物をガスクロマトグラフィーで分離定量した. その結果ACPA-Meの分解後の再結合率はベンゼン中で約85%, m-クレゾール中で約43%となり, 各系にスチレンが共存すると, それぞれ約48%, 28%まで下がり, 再結合反応に対する溶媒及びモノマーの影響の著しいことがわかった. この結果は上記ブロック共重合体の分子設計上の基礎資料となる.

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