高分子論文集
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2-ビニルピリジン-ビニルエステル共重合体の四級アンモニウム塩によるカオリン懸濁液の凝集
芹田 元村井 幸一
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1986 年 43 巻 6 号 p. 337-343

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抄録

2-ビニルピリジンービニルエステル共重合体 (2VP-VE) と種々の臭化アルキルの反応により2-ビニルピリジン-ビニルエステル共重合体の4級アンモニウム塩 (ポリマー) を得た. 5%カオリン懸濁液に対する凝集作用をポリマーの構造との関連において検討した. 得られた結果は次の通りである. 1) いずれのポリマーに対しても, 4~40ppmのポリマー添加濃度の範囲内で良好な凝集効果が認められた. 2) 凝集作用は, いずれも, i) イオン化の割合 (α), ii) 幹ポリマーの分子量, そしてiii) 幹ポリマーのビニルエステルのアルキル鎖長, の増加に伴って増加した. 3) いずれのポリマーを使用しても, pH1~12の範囲において, 良好な凝集効果が認められた. 4) ポリマーの四級化剤のアルキル鎖長の凝集作用への影響は, C12H25>C2H5≈C8H17>C4H9の順で増加しており, その増加の順序はカオリン粒子へ吸着されるポリマー量に依存しているのが認められた.

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