高分子論文集
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直接熱分解マススペクトル法によるセグメンティドポリエーテルウレタン尿素の熱分解機構の研究
古川 睦久吉武 紀道横山 哲夫
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1987 年 44 巻 3 号 p. 165-172

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抄録

ボリエーテルウレタン尿素の熱分解機構を質量分析計へ試料を直接導入し350℃で熱分解する方法により調べた. 試料にはポリ (オキシテトラメチレン) グリコール-エチレンジアミン-4,4′-ジフェニルメタンジイソシアナートあるいは-2,4-トリレンジイソシアナート系セグメンティドポリウレタンとそれらのモデル化合物を用いた. モデル化合物の熱分解マススペクトルとの比較により, ウレタン・ウレア結合の解離によりハードセグメント部の切断がまず生じ, 次にソフトセグメント部が分解されることがわかった. ウレア・ウレタン結合はi) モノアミンモノイソシアナート, ii) ジイソシアナート, iii) ジアミンへ定量的に解離した. しかしながらこの解離反応の生起はジイソシアナートの構造に影響された. ソフトセグメント部の分解では第1段階としてC-O結合が主に切断するが, エーテル酸素の隣接C-C結合 (α-β結合) での切断も生じた.

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