高分子論文集
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アジド系フォトポリマーの光架橋反応の効率に及ぼす分子構造の影響
小関 健一柴田 剛山岡 亜夫
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1987 年 44 巻 3 号 p. 173-178

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抄録

側鎖分子構造及び感光基濃度の異なるアジド系フォトポリマーにおける光架橋反応を架橋効率により評価しフォトポリマーの分子設計上必要な分子構造論的知見を得ることを目的とした. ポリマーとしては側鎖長の異なるメタクリラート系ポリマー及びエステル化率の異なるポリ (ビニルp-アジドベンゾエート) を用い前報と同様に架橋効率を求めた. その結果, エチレンオキシド鎖が長くなるにつれTgが低下し, 光分解で生じたニトレン同士の架橋反応に結び付くカップリング反応が生じ易くなること, また感光基濃度の低下が架橋効率の上昇をもたらすことが明らかになった. 感光基濃度の増加は, 架橋反応に結び付かない分子内カップリング反応の確率を高めることがわかった. 以上よリフォトポリマーの架橋効率を増大させるためには, 系のTgを低下させ側鎖の運動性を増大させるとともに, 感光基濃度を最適化することが分子設計上重要であることが明らかになった.

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