高分子論文集
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脂肪族ポリカチオンと芳香族ポリアニオンから形成される高分子電解質錯合体限外ろ過膜
橋田 勲天野 高男宮本 雅彦西村 正人
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1987 年 44 巻 3 号 p. 201-206

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抄録

ポリメタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリドとポリスチレンスルホン酸ナトリウムとから合成される高分子電解質錯合体を素材として, ジオキサン-H2O-Ca (NO3) 2系キャスト溶媒を用いる限外ろ過膜の製造法について検討した. 膜性能は, ポリマー濃度および分子量, キャスト膜厚, 溶媒蒸発温度と時間などの因子によって変化した. 製膜条件を適当にコントロールすることによって, 分子量20万以上のポリアニオンと数100万のポリカチオンとから透水性の優れた限外ろ過膜が得られ, 分画分子量は300程度であった. この膜では単糖類と二糖類との分離が可能で, 異性化糖中のイソマルトース以上の多糖類を分離, 濃縮できた.

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