高分子論文集
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高分子エレクトレットの曲げ圧電性
高松 俊昭雀部 博之
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1987 年 44 巻 7 号 p. 531-537

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抄録

ポリプロピレン (PP), フッ素化エチレンプロピレン (FEP) -テフロン, ポリフッ化ビニリデン (PVDF) 及びフッ化ビニリデンと三フッ化エチレンの共重合体 (VDF/TrFE) を室温において種々の直流電圧 (Ep) を印加して分極し, それらエレクトレットの曲げ圧電率 (β331) を測定した.
PPの未分極及びEp=1.4×107V/mで分極した後のβ331は, 0.53×10-10C/m及び2.38×10-10C/mの値が得られ, そのβ331の値はEpの増加に伴い増加した. FEP-テフロンの場合, Ep=3.8×107V/mの下でβ331は7.4×10-10C/mの値が得られた. (VDF/TrFE) (組成比65/35) 共重合体の場合, Ep=1.4×108V/mの下でβ331は20.3×10-10C/mの値が得られた. これらに対して, PVDFの場合, Ep=1×108V/mの下で分極しても曲げ圧電性はほとんど観測されなかった.
PVDFや (VDF/TrFE) 共重合体を分極後, 両極を短絡すると, 大きな放電々流が現れ, それらの電流値はPPやFEP-テフロンでの同種実験で現れる放電々流よりも著しく大きい. これらの結果に基づいてポリマーエレクトレットの曲げ圧電性の発生機構を検討した.

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