1987 年 44 巻 9 号 p. 649-656
Fiber reinfbrced thermoplastics (FRTP) 射出成形において問題となるウェルドライン度低下に及ぼす影響を明らかとするために, 種々の含有率のガラス繊維強化ポリカーポネについて検討した. ウェルドラインを持つダンベル型試験片を成形し引張強度の測定, EMる破断面の観測などを行った. また成形時の金型内の樹脂圧力・温度を計測した. その結, ガラス繊維含有率が大きいほどウェルドラインによる強度低下率が大きくなった. 充て圧力・保圧を高めることによりウェルドラインによる強度低下を改善できることが認めらた. 充てん圧力の効果はウェルドライン生成時の樹脂温度に, 保圧の効果はウェルドライにおけるガラス繊維と樹脂の密着度に影響するものである. また実測した金型内圧力よりェルドライン圧力と強度の関係は簡単な式で表され, ウェルドラインによる強度低下の予が可能となった.