1987 年 44 巻 9 号 p. 701-709
リンゴ酸及びβ-エチルマラートの直接脱水縮合. ならびに共縮合を検討した. d, l-リンゴ酸からは, 分子量2000 (GPC換算) 程度の縮合物が高収率で得られたが, このポリマーは, α型とβ型のエステル結合がランダムに配列した分子鎖から成るため, α, β型ポリリンゴ酸と呼ぶことができる. 重合中にポリマー末端から不可逆的な解重合を生ずるため, 高分子量体は生成しなかうた. l-リンゴ酸からはα, β型ポリ-l-リンゴ酸が得られた. 同様に, d, l-β-エチルマラートの脱水重縮合により, 分子量1300のポリ (β-エチルマラート) が得られた. また, リンゴ酸とエチルマラートの共縮合においては, 分子量約2000のリンゴ酸-β-エチルマラート共重合体が生成した, 得られたα, β型ポリリンゴ酸について, 重水中における加水分解挙動を検討した.