高分子論文集
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ポリ [Nε- (4-カルポキシベンジル) -L-リシン] 及びその保護誘導体の合成と構造
早川 忠男井上 克彦木村 忠司
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1987 年 44 巻 9 号 p. 711-715

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抄録

NCA法によりポリ [Nε-ベンジルオキシカルポニル (Z), Nε- (4-メトキシカルボニルベンジル) -L-リシン] (polymer 1) を合成した. polymer 1をケン化によりポリ [Nε-Z, Nε- (4-カルポキシベンジル) -L-リシン] (polymer 2) を, 脱Z化によりポリ [Nε- (4-メトキシカルボニルベンジル) -L-リシン] (polymer 3) とした. polymer 2を脱Z化してポリ [Nε- (4-カルポキシベンジル) -L-リシン] (polymer 4) を調製した. 合成ポリマーの側鎖基が主鎖構造に及ぼす影響についてIR及びCDより検討した. polymer 1及び2はヘリックス促進溶媒中でα-ヘリックス構造である. polymer 2,3, 及び4の構造変化を, 水-アルコール混合溶液中でpHを変えながら検討した. polymer 3はpH6以下でランダムコイル構造であるがpH7以上ではα-ヘリックス構造になる. polymer 4ではpH10を境に同様な挙動を示した. polymer 2はpH5~12の範囲ではα-ヘリックス構造である.

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