高分子論文集
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サーモトロピック液晶ポリマーを含む二成分ポリマーブレンドの流れ挙動と相構造
西村 哲夫酒井 伸
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1988 年 45 巻 5 号 p. 401-408

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抄録

ポリカーボネート (PC) あるいはポリアミド (PA) に, 全芳香族ポリエステルのサーモトロピック液晶ポリマー (LC) を混合した2成分系ブレンドポリマーを, 溶融混練押出しによって作製した. LC/PC及びLC/PAの二つの系において, 細管押出型レオメーターを用いた流動性の測定から, 見掛けの粘度ηaは見掛けのせん断応力τ'wに強く依存し, またブレンド組成にも支配されるが, 対数加成則には従わない. LC/PC系について, ダイスを通して得た棒状押出物試料と, 射出成形試験片の機械的性質を測定した結果, ポリマー配合比に基づく強度変化は少なく, ブレンドの性質はポリマーの混合状態に強く関係すると考えられる. 走査型電子顕微鏡写真の観察により, ブレンドの相構造は, ポリマーの溶融状態とせん断流れに伴う分子配向が大きく影響することが明らかになった.

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