1995 年 52 巻 2 号 p. 121-124
熱応答性のよいスポンジ状のポリビニルメチルエーテル (PVME) ゲルの調製条件を, 生成するゲルの構造に及ぼす前照射の吸収線量および本照射時の試料温度の曇点よりの上昇度の影響の観点から, 実験的に検討した. PVME水溶液にNaClを加えることにより溶液の曇点を調整し, 前照射における種々の吸収線量および種々の本照射試料温度の曇点よりの上昇度のもとでゲルを調製した結果, スポンジ状のゲルの得られる操作条件領域が明らかになった. また, 前照射された水溶液の粘度, 分子量分布の測定結果を併せ考えると, スポンジ構造の形成には相分離速度と架橋反応速度との競争のバランスがとれるような前ゲル状態が必要と考えられる.