溶融紡糸法により90wt%のナイロン6と10wt%のポリ乳酸とを含むブレンド繊維を紡糸した. ブレンド繊維を80℃に保った蒸留水に最長120日間浸漬することにより加水分解した. 所定時間浸漬した後, 固体状繊維を取り出して十分乾燥し, GPCで分子量Mn, Mwの経時変化を追跡した. 浸漬液の一部を用いて紫外分光 (UV) で水溶性分解物の変化を追跡した. さらに凍結乾燥により得られた水溶性加水分解物に対して, 赤外分光 (FT-IR) および1H NMR分析を行った. 80℃に保った蒸留水に10日間浸漬したところ, ブレンド繊維の分子量Mn, Mwは未分解前の1/4にまで低下した. 浸漬液中の加水分解物には波長λmax200nmの付近にUVの最大吸収が観察され, それらの値も浸漬時間の増加につれ増大した. ブレンド繊維の加水分解に伴って, ブレンド繊維中のナイロン6は水溶性のε-アミノカプロン酸のオリゴマーまたはモノマーを生成することが明らかになった.