高分子論文集
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ポリプロピレン/エチレン-プロピレン共重合体エラストマーブレンド系におけるポリプロピレンとエチレン-プロピレン共重合体エラストマーの相互作用
野村 孝夫西尾 武純秋山 雅也杉原 栄一田中 耕三
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1995 年 52 巻 2 号 p. 83-89

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抄録

プロピレン含有量の異なるエチレン-プロピレン共重合体エラストマー (EPR) とポリプロピレン (PP) とのプレンドにおけるEPRとPPとの相互作用を動的粘弾性および13C固体NMRを用いて測定した. 動的粘弾性で測定したPPのガラス転移点はEPRとブレンドされることにより変化し, また13C固体NMRで測定したEPRのスビン-格子緩和時間 (T1C) にはPPとブレンドされることにより緩和時間の長い成分が現れる. これらの結果は, PP/EPRブレンドにおいては, EPRとPPの非晶部とがお互いの運動性に影響を与え合うこと, およびその程度はプロピレン含有量の高いEPRとのブレンドに多い傾向にあることを示した. PP/EPRブレンドの低温衝撃強度はプロピレン含有量の高いEPRでより大きな値を示すが, この差はPPとEPRとの相互作用によりマトリックスを形成する非晶部の性質が変化したことに由来する現象であると推定される.

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