高分子論文集
Online ISSN : 1881-5685
Print ISSN : 0386-2186
ISSN-L : 0386-2186
非晶性ポリマーアロイの状態式と圧縮率
佐藤 貞雄戸田 晋作林 哲哉吉永 貴行大柳 康
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 52 巻 2 号 p. 97-104

詳細
抄録

ポリカーボネート (PC), ポリメチルメタクリレート (PMMA) とそれらのポリマーアロイの固体から液体までのpvT特性をプランジャー加圧型装置を用いて等温法によって測定し, CAE (Computer Aided Engineering) 成形加工に適用できる状態式と圧縮率に及ぼす温度, 混合比依存性について検討した. その結果, 非晶性ポリマーPC, PMMAとそのポリマーアロイに関する状態式は次式で示される. v (p, T) =v0 (0, T0) + (3Σi=0AiTi+p1Σi=0BiTi+p21Σi=0CiTi). ここで, v0は室温 (T0), 大気圧 (p=0) 中における比容積, Ai (i=0~3), Bi, Ci (i=0~1) はポリマーの種類によって決まるpvT特性係数である. この状態式による計算値と実験による測定値は±2.5%の範囲で一致する. PC/PMMAポリマーアロイの圧縮率は温度上昇とともに増大し, 250℃の温度域で8~9×10-4MPa-1の値を示し, 各温度域においてPMMAの混合比が10~40wt%のときベースポリマーの圧縮率より小さいポリマーアロイになることをpvT測定によって実験的に明らかにした.

著者関連情報
© 社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top