高分子論文集
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ポリブタジエン (PBD) /α-およびβ-ピネンブレンKの相溶性と粘着性
宮古 強臣秋山 三郎張 鵬鳴
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1995 年 52 巻 7 号 p. 434-439

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抄録

1, 2単位含有量を調節したポリブタジエン (PBD) とテルペン系樹脂であるα-ピネンおよびβ-ピネンとの相溶性を示差走査熱分析, 透過光強度測定により調べた. β-ピネンとのブレンドは相分離を示し, α-ピネンではPBDの1, 2単位組成とブレンド組成を変えることにより, 相溶状態を制御できることを見いだした. 透過光の曇点測定の結果から, 室温において相溶であったPBD (1, 2単位組成30.1 wt%) /α-ピネンブレンドは, 下限臨界共溶温度型 (LCST) の相挙動を示し, Flory-Huggins式を用いて計算されたバイノーダル曲線とよく一致した. さらに, 相溶性の良いPBD/α-ピネンブレンドについて粘着剤の性能を動的粘弾性測定, 各種粘着試験 (剥離強さ, 保持力, プローブタックなど) によって評価し, 粘着性をブレンドの動力学的挙動の観点から説明した.

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