抄録
4-ヒドロキシ安息香酸 (HBA) と2, 6-ヒドロキシナフトエ酸 (HNA) の共重合体 (HBA73mol%, HNA 27mol%) からなる液晶性コポリエステルのガラス転移近傍においてサーマルサンプリングーTSDCスペクトルを測定した. これらのスペクトルの解析から, ガラス転移に起因するα緩和と, これより低温側に存在するsub-Tg緩和が共にその緩和時間の温度依存性において同一の補償温度で規定された非アレニウス型の式に支配されていることが分かった. このことからsub-Tg緩和はガラス転移と連動した運動様式をもっていることが明らかになった. また, この補償温度はガラス状態とゴム状態における熱膨張係数の差と関係していることが示唆され, これらの積は定数となることが推察された.