抄録
ポリビニルアルコール (PVA) はスチレンやアクリル酸ブチルのような共役系のモノマーの乳化重合では保護コロイド能がないが, 片末端にドデシル基を導入すると, 若干の向上が認められた. これに加えて側鎖にカルボン酸を導入し, それを解離させるとスチレンの乳化重合が可能であった. これらPVAの変性によって, エマルションはPVA保護コロイドの特徴をなくし, 乳化剤系のそれに近づいた. 一方, 片末端に反応性のチオール基を導入したPVAでは, スチレンおよびアクリル酸ブチルの乳化重合が可能であり, PVA保護コロイド系の特徴を有するエマルションが得られた.