高分子論文集
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アルケニル基を有するアクリル系ポリマーの合成とハイドロジェンポリシロキサンとの反応
大杉 宏治田辺 久記
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1996 年 53 巻 7 号 p. 398-405

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抄録

白金触媒を用いたヒドロシリル化反応による有機/無機ポリマーネットワークを, アルケニル基含有アクリル系ポリマーとフェニルメチルハイドロジェンポリシロキサン (PMHS) との高分子架橋反応により得た. アルケニル基含有酢酸エステルとPMHSとのモデル反応を行い, 得られた生成物の29Si NMRスペクトルより, ヒドロシリル化反応とシリルエステル生成反応との二つの反応が生じることがわかった. 酢酸2-メチル-2-プロペニルおよび酢酸3-メチル-3-ブテニルとPMHSとのモデル反応では, 選択的にヒドロシリル化反応のみが生じた. ラジカル単独重合で得られたpoly (3M3BMA) とPMHSとの熱硬化膜は優れた耐アルカリ性 (0.1 N KOHエタノール溶液) を示した. その硬化膜の動的ガラス転移温度Tgは架橋密度ρ (E′) とともに増加する傾向を示し, 関係式Tg=K1 (logρ (E′) +log K2) (K1, K2はそれぞれ定数, K1: 70, logK2: 3.0) に従うことを確認した.

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