1996 年 53 巻 7 号 p. 423-433
ポリアミド6 (PA6) と, 無水マレイン酸 (MAH) 変性した (グラフト率0~0.8wt%) 高密度ポリエチレンおよび低密度ポリエチレンとのブレンド (ブレンド比10~30wt%) を2軸混練押出機で調製し, 射出成形した. ブレンドポリマーの種類, ブレンド比, ならびに変性率の差によるモルフォロジーと摺動特性の変化を評価し, 機械的特性との関連を調べた. PA6/HDPEおよびLDPEブレンドは, それぞれトライボロジー特性の傾向が異なっていることから, その挙動が発現する機構も相違すると考えられた. これはMAHのグラフトによるマトリックス中の分散粒子径変化などによってもたらされるブレンドの機械的性質の変化 (引張りおよび曲げ剪断の強度とそれらの降伏応力) で定性的に説明される.