高分子論文集
Online ISSN : 1881-5685
Print ISSN : 0386-2186
ISSN-L : 0386-2186
ポリメタクリル酸t-ブチル鎖中の頭-頭結合を模倣した化合物の熱分解
木村 隆夫壁矢 良次三部 正大
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 53 巻 7 号 p. 448-452

詳細
抄録

頭-頭結合を構成単位に含むポリメタクリル酸t-ブチル鎖を模倣した化合物である2, 3-ジメチル-2, 3-ジ (2, 2, 2-トリクロロエチル) コハク酸ジ-t-ブチルの熱分解を180℃で行い, その挙動およびt-ブトキシカルボニル基の寄与を調べた. このコハク酸誘導体にはmeso-およびdl-形の2種類の立体異性体が存在することから, その立体配置の相違が熱分解に及ぼす影響についても検討した. その結果, イソブテンの脱離, 続いて脱水環化が進み, ジカルボン酸を経由して, 最終的に酸無水物が生成した. 特に, dl-形は第二段階の脱水環化において有利な立体配座を取り得ることからmeso-形に比べて高い反応性を示した.

著者関連情報
© 社団法人 高分子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top