高分子論文集
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脱アセチル化度を制御したキチン, キトサンの生物活性
森本 稔重政 好弘
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1997 年 54 巻 10 号 p. 621-631

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抄録

N-アセチル-β-D-グルコサミン (GlcNAc) とβ-D-グルコサミン (GlcN) のヘテロ共重合体であるキチン, キトサンの1) 脱アセチル化度 (DDA) の決定法, 2) 共重合様式, 3) DDAと生物活性との関係について検討した. IRスペクトルから, 定量用特性吸収として1560cm-1のアミドII吸収と内部基準吸収として1070cm-1あるいは1030cm-1のCO伸縮振動吸収との強度比をとることによりDDAが精度良く求まることを示した. また, 均一系および不均一系での脱アセチル化およびN-アセチル化反応で得られるキチン, キトサン中のN-アセチル基の分布を硝酸脱アミノ化法により検討し, いずれの場合もGlcNAc残基の共重合様式はランダム分布であることを明らかにした. さらに, DDAと抗菌性および多形核白血球活性化能との関係について検討し, いずれの生物活性もDDAに大きく依存することを明らかにした.

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