2003 年 60 巻 1 号 p. 22-29
プラスチック光ファイバ, ロッドレンズおよび光導波路といった屈折率分布を有する光学素子を形成するために, 数種のメタクリル酸エステル系ポリマーをそのポリマーとは屈折率の異なるポリマーを形成するモノマーあるいはモノマー混合物に均一に溶解させた状態で紫外線照射を行い, ポリマーブレンドを形成することにより, 従来の手法では相分離を起こし不透明となるポリマーの組合せに対して, 透明なポリマープレンドを実現した. この現象は, 光重合の重合速度が速く, 初期の均一状態を維持できるためと考えられる. また, メタクリル酸フッ素化アルキル系ポリマーとポリメタクリル酸メチルとのブレンドでは相溶性に関して, 水素結合の影響が確認できた. このポリマーブレンド形成技術ならびに新しい透明ポリマーブレンドは屈折率分布型透明材料の開発に非常に有用なものである.