2- (Dansyloxy) ethyl methacrylate [DnsEMA] と
N-
tert-butoxycarbonyl-
O-methacryloyl-
L-serine diphenylmethyl ester (Boc-SerMA-Ph
2) を合成し, ラジカル重合により得た共重合体をトリフルオロ酢酸 (TFA) で脱保護して, ダンシル (Dns) 基でラベル化した両性イオン構造をもつpoly (
O-methacryloyl-
L-serine) [poly (SerMA-co-DnsEMA), DnsEMA含量: 0.8mol%] TFA塩を得た. poly (SerMA-co-DnsEMA) 存在下, pH=1.5~12溶液中で蛍光測定 (励起光: λ
ex=325nm) した結果, 蛍光波長はほとんど変化しなかったが, pH=6.2のPoly (SerMA) の等電点付近まではpHの増大とともに蛍光強度が直線的に増加するpH応答性を示した. またpoly (SerMA-co-DnsEMA) 水溶液に血漿タンパク質アルブミン (Alb), γ-グロブリン (Glo), およびフィブリノーゲン (Fib) を添加するとλ
ex=325nmの蛍光はAlb添加系のみにおいてブルーシフトし, 強度も増大した. また, λ
ex=290nmでAlb中に存在するトリプトファン (Trp) 励起するとpoly (SerMA-co-DnsEMA) 存在下では350nm付近のTrPに基づく蛍光以外に, 440nm付近にDns基に基づく蛍光が認められ, Alb中のTrPとpoly (SerMA-co-DnsEMA) 中のDns基との相互作用を認めた.
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