塩素化ポリエチレン (CPE) とヒンダードアミン系低分子化合物 (LA-57) のブレンドについて, 熱処理過程における動的粘弾性の変化を調べた. 160℃で10分間プレスしたCPE/LA-57 (55/45) は動的粘弾性に二つの緩和を示すため, 非相溶系である. この試料を50℃で熱処理すると, 低温側の緩和がさらに二つの緩和に分かれた. これは, 熱処理過程におけるCPEリッチ相のさらなる相分離によるものである. 熱処理により2相以上の多相構造を形成することにより広い温度域にわたって高い制振性を保つ高性能制振材料の設計が期待できる.