高分子論文集
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原子間力顕微鏡によるナノレオロジーマッピング
中嶋 健藤波 想額賀 英幸渡部 浩行北野 宏樹大野 直人遠藤 克佳金子 美枝西 敏夫
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2005 年 62 巻 10 号 p. 476-487

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抄録

通常, 試料の凹凸像を取得するのに用いられる原子間力顕微鏡 (AFM) を, ソフトマテリアル系に特化した新規のアイデアを元に使用すると, 試料自身の変形量像および弾性率像を得ることができる. 本報では筆者らが「ナノレオロジーマッピング」と名付けたこの手法について説明する. 試料として高分子非相溶ブレンド系, 伸張下にある天然ゴム, 毛髪の断面を例にナノレオロジーマッピングで何がわかるのかを議論する. また同様の考え方をタッピングモードAFMに応用するために必要な基本的なアイデアを提出する. さらにフォースモジュレーション測定が高分子複合材料の界面の構造情報・力学情報を取得するのに有用であることを示す. 以上の話題はすべてAFMによって試料の三次元情報を得るための基礎となる考え方である.

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© 社団法人 高分子学会
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