高分子論文集
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循環型社会構築に向けた植物由来プラスチックの役割
ポリ乳酸“LACEA®”の事業開発を通して
川島 信之松尾 充記杉 正浩
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2005 年 62 巻 6 号 p. 233-241

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抄録

植物を原料とするポリ乳酸のような材料は, 温室効果ガスの抑制ならびに化石資源の節約に寄与する. ポリ乳酸の用途は, 包装容器分野を中心として, 農業土木資材分野, コンポスト資材分野などで拡大し, 最近では耐久材分野への展開が試みられている. プラスチックや製品中に含まれる植物由来成分の含有量を植物度と表し, 環境負荷低減の尺度とすることが検討されている. この考え方のもとに, 植物由来の材料と化石資源由来の材料との組合せにより多様な物性を実現し, 用途が拡大すると期待される. 三つの課題 (1) 物性改良と安価供給 (2) コンセプトの明確化と啓発, (3) 京都議定書の目標達成に向けた行政・規制との連携, を達成することにより, 石油由来プラスックから植物由来プラスチックへの代替が加速する.

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