甲子園短期大学紀要
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認定絵本士の資格を持つ保育者養成の意義
-フレーベル『母の歌と愛撫の歌』の教育方法を基に-
馬場 住子
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2021 年 39 巻 p. 23-29

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抄録

現代の子どもの課題の一つとして読書離れが挙げられる。子どもの読書活動は、言葉を学び、感性を磨き、表現力を高め、創造力を豊かなものとし、人生をより深く生きる力を身に付けていく上で欠くことのできないものである。そのため、社会全体で積極的にそのための環境の整備を推進することは極めて重要であることが国の施策においても謳われている。 幼稚園の創始者であるフレーベルは「絵本」を与える時期を実物から絵になることを喜び、さらに絵の中に象徴しているものを見てとることができるようになったときとし、そのときに子どもは、絵を見て話を聞くことから自身の経験を思い出し、その経験を客観的に受け止め、感じ、考え、より深く理解することができるとしている。そして、身近な大人が読み手として、自身のことばを通して生命をふき込み、読み手の心によってあたためることが大切であるとし、そのような「絵本」教材を使った教育の積み重ねにより、子どもは身近な大人の愛情を感じ、その声や表情から言葉以上のものを受け取り、自身のかけがえのない経験をもとに、これからの生活においてその経験を糧とし、よりよい人生を歩んでいく礎になるとしている。 これらのことから、現代の保育者養成においても、「絵本」についての幅広い知識と感性と技能を持ち、保育者としての保育技術力、表現力、コミュニケーション力を高めるのみならず、地域への読書活動推進に向けてのコーディネイト力を持ち、子育て支援などの場で活躍が期待できる「認定絵本士」の資格取得は、子どもの読書活動を推進させるという意味でも、また、幼児教育における子どもの経験の振り返りと保育者の愛情を感じ、その声や表情から子どもたちが言葉以上のものを受け取り育つということへの期待からも意義あるものと考えられる。

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