2021 年 39 巻 p. 31-37
本研究は、高齢者介護に従事する介護職員の感覚処理感受性、介護観、燃え尽き症候群、および離職意向の関連を明らかにすることを目的とした。国内の高齢者福祉の分野で働く介護職員(200名)を対象に調査を実施した。 その結果、相関分析において感覚処理感度と燃え尽き症候群の間には、有意な正の相関がみられた。パス解析では、感覚処理感受性が、バーンアウトを介して離職意向に影響を与える間接効果が有意となった。本研究の意義は、感覚処理感受性の離職意向に影響を及ぼすメカニズムを明らかにした点にある。介護観は、いずれも有意な結果が得られなかったが、今後は、ポジティブな要因と離職意向との関連など、さらなる研究が必要である。