抄録
從來Ameloblasten及ビOdontoblastenニ於テPiastosomen即チMitochondrien及ビGolgi氏内網裝置ノ存在ヲ報告セルモノアレド, ソノ機能的意義ニ關シテハ深ク追究セラレタルヲ聞カズ。此處ニ於テ余ハ先ヅ細胞内微細構造ヲ研究シ然ル後能フベクンバ之ガ機能トノ關係ヲ明ニセントテ本研究ヲ企圖セリ。
材料トシテハ胎生期ヨリ生後幼若時代ヲ過テ成熟期ニ至ル各時期ノMausヲ用ヒ研究ハ主トシテ門齒ニ對シテ行ヒタリ。方法トシテハ細胞内微細構造ノ探究ニハMeves固定及ビHeiden-hain鐵Hmatoxylin染色法叉特種物質ヨリナルGolgi氏裝置ニハChampy液固定後Kolatschev氏ノOsmierung法ヲ用ヒタリ。
先ヅ兩種細胞ヲ別々ニ細胞學的見地ヨリソノ微細構造ヲ闡明ニシ然ル後之ガ機能ニ言及セリ, 今之ヲ約言スレバ兩細胞トモニソノ主要組成分トシテPlastosomen, 顆粒, 空泡竝ニGolgi氏裝置ヲ抱有ス, 而シテ是等ノモノ殊ニ初メノ3種ハ交互ノ間ニ成立的緻密ノ關係ノ有スルハ窺知スルニ難カラズ。斯ノ如ク所謂腺性構造トシテ認メラル, 組成分ヲ有スルノミナラズ交互ノ間ニ所謂機能的動態ヲ現ハスヲ以テ是等細胞ハ機能的ニハ腺細胞ニ極メテ近キヲ推知シ得タリ。次ニ兩細胞ヲ組織發生學的ニ研究セシニ分化ノ幼若ナル時期ニアリテハPlastosomen及ビGolgi氏裝置共ニ極メテ簡單ニシテ小量ナレドモ分化ノ進ムニ從ヒ次第ニ複雜トナリ且顆粒, 空泡發現シ然モ漸次増數増量シ他面ニハGolgi裝置ハ複雜ナル形態ヲ示シ是等ノ状況ハ機能ノ開始惹テハ旺盛ニ赴クヲ暗示ス, 然レドモー定時期ヲ過グレバ次第ニ細胞ノ縮小ト同時ニ内構造モ單一トナリ機能ノ低下或ハ休止更ニ進ンデハ消滅スルヲ知ル。
是等研究ノ途ニ於テAmeloblastenハIntermedire Schicht Zellen ト極メテ緻密ノ關係ノ有スルヲ發見セリ, 而シテ前者ヲ論ゼントセバ必ズヤ後者モ同時ニ研究セザルベカラザルヲ痛感セリ, 郎中間層細胞ノ機能ハAmeloblastenニ向ツテ營爲セラル, ハソノ内構造ノ示ス所ニシテAmeloblastenノ之ニ對スル部位ハ又機能的活躍ヲ示ス, 從ツテ兩者ノ相對向ノ部位ニ於テ何ラカ物質ノ授受ノ行ハル、ヲ想像スルニ到レリ。
