口腔病学会雑誌
Online ISSN : 1884-5185
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アフガニスタンのヌリスタン地域の歯科学的調査
第二報口腔人類学的所見
小貫 伸一芝 〓彦平井 敏博
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1970 年 37 巻 1 号 p. 51-55

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抄録

南西アジアのアフガニスタンのヌリスタン, Alinger川流域の男子住民の口腔診査, 口腔模型を検討し, 次の結果を得た。
1) 咬合型は, Psalidontieが43%でもっとも多かった。Labidontieが37%とたかい値で出現し, Psalidontieと判定したもののなかにも被蓋が浅く, Labidontieに近いものが多くみられた。
2) 歯列弓型は, Paraboloidが上顎57%, 下顎60%, Ellipsoidが上下顎とも31%であった。
3) 口蓋形態は, 帯円型が40%ともっとも多く, 方形型, 放物線型, 中央凸型の順であった。
4) 口腔計測の結果, 日本人に比べ, 歯列弓長が小さく, 口蓋高が深く, ことに前口蓋高の値が大きかった。
そして, このことがEllipsoidが多いこと, 帯円型, 方形型の口蓋形態の多いことをうらづけるように思えた。

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