1972 年 39 巻 3 号 p. 461-469
正常ヒトおよび各種疾患患者血清と家兎の各種組織抽出液および歯槽骨抽出液を用いて加熱阻害実験をおこない, 骨由来のALP分画と他の組織由来のALP分画とを対比しつつ, 骨性ALP分画の消長を追求した。
その結果, 骨性ALP分画は他の組織由来ALP分画より熱に対して鋭敏であり, 54℃加熱条件で活性低下測定値を片対数グラフに表わすと, それらの勾配に判然とした差異が認められた。正常ヒト血清中のALPには骨由来の分画のALPがむしろ多く混入していた。