口腔病学会雑誌
Online ISSN : 1884-5185
Print ISSN : 0300-9149
乳歯環状う蝕と歯垢中のレンサ球菌との関連性に関する研究
弓削 朝子馬場 久衛加藤 敬子宮脇 映子
著者情報
ジャーナル フリー

1974 年 41 巻 1 号 p. 59-68

詳細
抄録

乳歯環状う蝕とその歯垢中のレンサ球菌, 特にStrep. mutansとの関連性を追求するために3歳児の無う蝕児29名と環状う蝕歯牙保有児30名について歯垢中のレンサ球菌並びに歯垢の酸産生力の比較を行ない, また両者の関連性について検討した。その成績は, 歯垢中の全レンサ球菌数の平均値は環状う蝕児群は無う蝕児群より極めて高い値を示した。また, Strep. mutansの検出率並びに全レンサ球菌に対する比率において, 環状う蝕児群は有意に高い値を示し, Strep. sanguisでは逆に無う蝕児群の方が高い値を示した。歯垢を糖加培地に培養した場合に環状う蝕児群の方が強い酸産生力を示した。またう蝕の程度並びに歯垢の酸産生力とStrep. mutansの比率および菌数との間に正の相関々係がみられた。歯垢を培養した糖加培地にはStrep. mutansの増殖とともにpHの低下がみられた。

著者関連情報
© 口腔病学会
前の記事 次の記事
feedback
Top