関西造船協会講演概要集
平成14年度秋季造船三学会連合大会(内関西造船協会)
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閉塞環境下にある操船者の心理感に関する熱力学アナロジについて
松村 清重片岡 哲宏石橋 龍哉播本 瞳竹内 健
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p. 18

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抄録

閉塞環境下における操船者の心理感を、熱力学アナロジの観点から説明することを試みた。海域の閉塞性Pと自船の行動ボリュウムVを定義すると、操船者の受ける脅威感Tは、次元的関係からPVの関数となる。これは熱力学の状態方程式に相当する。操船タイミングの善し悪しと関係した効力感Wは熱力学的仕事で表すことができる。達成傾向を内部エネルギUないしは意志Qと見なすことによって、効力感を加えたエネルギ保存則から期待-価値論を説明できる。操船者の心理状態を表すために心理エントロピーの定義を示し、人の意志が冷めることを公理とした熱力学第2法則相当の心理機構を示した。応用例として狭水路航行時の船速が自発的に定まったり、ブレーキングの善し悪しがエントロピで説明できることを示した。

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© 公益社団法人日本船舶海洋工学会 2002
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