抄録
トマト青枯病の防除を目的に開発された高接ぎ木法について,ナス青枯病への応用を群馬県農業技術センター内枠試験圃場の露地条件下で検討した。穂木は‘千両二号’,台木は‘台太郎’を供試し,本葉2葉上で高接ぎ木された苗 (以下,第2葉上高接ぎ木) と子葉上で接ぎ木された慣行接ぎ木苗 (以下,慣行接ぎ木) を比較した。その結果,根の中心柱の褐変は同程度であったが,茎葉の萎れは第2葉上高接ぎ木のほうが発生が少なかった。また,維管束褐変度でも慣行接ぎ木は51.3であったのに対して,第2葉上高接ぎ木は21.3と半分以下であった。以上のことから,ナスにおいても高接ぎ木法により青枯病菌の移行,増殖が抑制された可能性が示唆され,防除効果があることが明らかとなった。