関東東山病害虫研究会報
Online ISSN : 1884-2879
Print ISSN : 1347-1899
ISSN-L : 1347-1899
虫害の部
アブラナ科葉菜類の主要害虫の侵入阻止に有効な防虫ネットの目合い
長坂 幸吉光永 貴之後藤 千枝
著者情報
ジャーナル フリー

2014 年 2014 巻 61 号 p. 132-136

詳細
抄録
アブラナ科葉菜類での害虫防除に適切な防虫ネットを選択する際の基本的情報を得るため,室内の一定条件下で主要害虫10種について4種類のネット目合いに対する通過率を調査した。コナガ成虫と幼虫 (若齢幼虫,以下同様) ,ハスモンヨトウ幼虫,ヨトウガ幼虫,カブラハバチ成虫,キスジノミハムシ成虫,ダイコンサルハムシ成虫と幼虫,ナモグリバエ成虫,ダイコンアブラムシ有翅虫,ニセダイコンアブラムシ有翅虫およびモモアカアブラムシ有翅虫について,目合い1mm,0.8mm,0.6mm,0.4mmの防虫ネットを垂直に設置した場合の24時間後の通過率を調査した。1mm目合いで通過を阻止できる害虫は,カブラハバチ成虫,ダイコンサルハムシ成虫,コナガ成虫であり,0.8mm目合いで通過を阻止できるのはナモグリバエ成虫,0.6mm目合いで阻止できるのはキスジノミハムシ成虫,ダイコンアブラムシ有翅虫,ニセダイコンアブラムシ有翅虫であった。0.4mm目合いでおおむね阻止できるのはモモアカアブラムシ有翅虫とダイコンサルハムシ幼虫であった。一方,ヨトウガ,ハスモンヨトウ,コナガの若齢幼虫は,0.4mm目合いでも通過した。また,コナガサムライコマユバチ,コレマンアブラバチなどの寄生性天敵の通過率を調査したところ,1mm目合いであれば通過可能であるが,0.6mm目合いでは通過が5%以下に阻止された。これらの情報を基に,アブラナ科葉菜類での防虫ネットの活用法を考察した。
著者関連情報
© 2014 関東東山病害虫研究会
前の記事 次の記事
feedback
Top