関東東山病害虫研究会報
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虫害の部
山梨県におけるクビアカスカシバ幼虫に対する薬剤の効果およびブドウ果実の外観品質への影響
内田 一秀村上 芳照綿打 享子功刀 幸博
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2017 年 2017 巻 64 号 p. 138-140

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抄録

カルタップ水溶剤,フルベンジアミド水和剤,ペルメトリン水和剤,スピネトラム水和剤を処理した人工飼料(インセクタLFS)に,クビアカスカシバ幼虫を11頭ずつ放虫して13日間にわたり生死を観察した。カルタップ水溶剤およびフルベンジアミド水和剤で高い殺虫効果が認められ,特にカルタップ水溶剤では,放虫3日後には全ての供試虫が死亡または苦悶した。カルタップ水溶剤の残効を調査するため,散布7,15,23,31日後のブドウ樹に,幼虫を10頭ずつ放虫して7日後に観察したところ,散布7,15日後の樹では,生存虫は認められなかった。散布31日後の樹でも,生存虫数が少なく,残効が認められた。カルタップ水溶剤の散布が,ブドウ果実の外観品質に与える影響について「巨峰」および「ピオーネ」の果粒を観察したところ,散布時の粒径が9 mmを超えると果粉溶脱が発生した。

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© 2017 関東東山病害虫研究会
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