2017 年 2017 巻 64 号 p. 41-46
高冷地で有機栽培により生産されるレタスにおいて問題となる病害を抽出し,また防除対策について検討した。 平成25年~28年の4年間,長野県塩尻市のレタス有機栽培圃場で発生した病害の種類は,化学農薬による防除を行っている慣行栽培で見られる病害と同様であった。多雨・日照不足が続いた作期では,斑点細菌病が多発し,収量に影響した。すそ枯病の発生がやや目立ったが,その他の病害は,収量への影響はほとんど無かった。慣行栽培で問題となるレタス腐敗病,軟腐病及び斑点細菌病に対しては品種により感受性差異が認められた。またすそ枯病は,マリーゴールド及びニンジンとの輪作により,レタスの連作より発病が軽減された。