抄録
シバオサゾウムシに対する昆虫寄生性線虫 Steinernema kushidai の防除効果は, 地温17℃以下の野外試験では認められなかった。そこで S. kushidai の殺虫活性に及ぼす温度の影響について15~30℃の範囲で検討した結果, 感染力は17℃以下で低いことが明らかになった。また, 感染態幼虫の運動性について10~30℃の範囲で, 蒸留水中における波動運動の違いを観察したところ, 15℃以下では波動回数が有意に少なかった。
S. kushidai の芝地における残効性を, ベルマン法による線虫密度とドウガネブイブイ幼虫を用いた生物検定で調査した結果, 処理30日後まで高い効果を維持することが判明した。